結論から言います。3月第2日曜日から11月第1日曜日の間にアリゾナ北部を車で回るなら、スマホの時計は「アリゾナ時間(夏時間なし)」に固定してください。
理由は、グランドキャニオン・アンテロープキャニオン・モニュメントバレーは近いのに、場所によって時計が1時間違うからです。しかもスマホは電波を拾って勝手に切り替わります。
落とし穴はここからです。アンテロープキャニオンは「時計が1時間進む土地」にあるのに、ツアーの集合時間は「進まない町の時間」で決まっています。私たち家族はこれで慌てて、グランドキャニオンを30分で切り上げ、結局1時間早く着きました。
この記事では、何が起きたか、なぜ起きるか、どうすれば防げるかを、ナバホ・ネイション政府とツアー案内サイトの公式情報(2026年9月26日確認)をもとにまとめます。
何が起きたか:グランドキャニオンを30分で切り上げ、1時間早く着いた
前夜は、モニュメントバレーの岩山の目の前にあるホテルに泊まりました。ラスベガスから走っても走っても着かず、到着は夜11時。星の多さに驚いた場所です。

翌朝、グランドキャニオンへ。ゆっくり見るつもりが、スマホの時計が1時間戻っていることに気づきました。「時差がある。この後のアンテロープキャニオンのツアーに間に合わない」と思い込み、30分で退散。ページの町まで急ぎました。

着いてみると、集合時間の1時間前。近くのホースシューベンドを先に見て、時間をつぶしました。

ツアーの受付で事情を話すと、「みんなこれで迷うんだよね」と一言。それでも谷へ向かう車の中で、スマホの時計はまた1時間進みました。

理由:アリゾナ州は夏時間なし、ナバホ・ネイションは夏時間あり
アリゾナ州は1968年から夏時間を採用していません。1年中、山岳標準時のままです。
ところが、州の北東部に広がるナバホ・ネイション(先住民ナバホの自治区)は夏時間を採用しています。ユタ州・ニューメキシコ州にまたがる親族やコミュニティと同じ時間でいるためだと、ナバホ・ネイション大統領府が案内しています。2026年は3月8日午前2時に1時間進みました。
つまり夏の間、同じアリゾナ州内でも、ナバホ・ネイションの土地に入った瞬間に時計が1時間進みます。モニュメントバレーはナバホ・ネイションの中。グランドキャニオンのサウスリムは外。この2か所の間で、時計が1時間戻ったわけです。
一覧:夏の間、どこが何時か
3月第2日曜日〜11月第1日曜日(夏時間の期間)の時計です。
| 場所 | 時計 | 日本との差 |
|---|---|---|
| ラスベガス | 太平洋夏時間 | −16時間 |
| グランドキャニオン(サウスリム) | アリゾナ時間(夏時間なし) | −16時間 |
| ページの町(アンテロープキャニオンのツアー集合場所) | アリゾナ時間 | −16時間 |
| アンテロープキャニオンの谷(ナバホ・ネイション) | ナバホ時間(夏時間あり) | −15時間 |
| モニュメントバレー(ナバホ・ネイション) | ナバホ時間 | −15時間 |
夏の間は、ラスベガス=グランドキャニオン=ページの町。ナバホ・ネイションの土地だけが1時間進んでいます。
冬(11月第1日曜日〜3月第2日曜日)は逆に、アリゾナ全体とナバホ・ネイションが同じ時間になり、ラスベガスだけが1時間遅れます。
追記(2026年9月27日):アメリカでは夏時間を1年中にする法案(Sunshine Protection Act)が2026年7月14日に下院を通過し、上院で審議中です。成立すれば、この表の「夏の間」の時計が1年中になります。カナダのブリティッシュコロンビア州は2026年3月8日から夏時間を恒久化済みで、11月に時計を戻しません。出発前に最新のルールを確認してください。
ツアーの集合時間は「ページの町の時間」
アンテロープキャニオンはナバホ・ネイションの土地にあります。でもツアー会社は混乱を避けるために、ページの町と同じアリゾナ時間で運用しています。
ツアー案内サイトの表現を借りると、「フェニックスとページで午後1時なら、アンテロープキャニオンでも1年中午後1時」。ナバホ・ネイションは夏時間を採用するが、アンテロープキャニオンは例外、という整理です。
だから、予約確認メールの「集合 10:00」はアリゾナ時間の10時。ナバホ時間で動いているスマホを見ると「もう11時」に見えます。私たちが慌てたのはこれでした。
ユタ側やモニュメントバレーから来る人は、スマホが1時間進んでいるので「遅れている」と感じて早く着きます。ツアー案内サイト自身が「最悪でも1時間早く着くだけ。遅れるよりまし」と書いているくらい、よくある間違いです。
ズレない3つの対策
- スマホの時計を手動にする。 日付と時刻の自動設定をオフにして、時間帯を「フェニックス」に固定します。これで旅の間ずっとアリゾナ時間。ラスベガスとも夏の間は同じ時間なので困りません。
- 予約の時刻の横に「アリゾナ時間」とメモする。 確認メールをスクショして「AZ time」と書き足す。迷ったらツアー会社に「Arizona time?」と聞けば一言で終わります。
- 迷ったら1時間早く動く。 早く着いた時の逃げ場を決めておく。アンテロープキャニオンなら、ホースシューベンドが集合場所から車で10分ほどです。
この日の走行距離は別の記事で
この日はモニュメントバレーからグランドキャニオン、ページ、そしてラスベガスまで1日で走りました。「アメリカは短時間で回れる」という勘違いが、どれだけハードな旅にしたか。走った距離と時間は、別の記事にまとめます。
まとめ
- アリゾナ州は夏時間なし。ナバホ・ネイション(モニュメントバレーなど)は夏時間あり
- 夏の間、ナバホの土地に入るとスマホが1時間進む
- アンテロープキャニオンのツアーは「ページの町=アリゾナ時間」で運用
- 対策は、時計をフェニックスに固定・予約時刻に「アリゾナ時間」とメモ・迷ったら1時間早く
特典航空券で飛行機代がかからなくても、ツアーに乗り遅れたら元も子もありません。時計の固定は、出発前の3分でできます。
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