結論から言います。ANAの上級会員は、プラチナに届くかどうかで世界が変わります。専用保安検査場、優先搭乗、ANAラウンジが無料になるのはプラチナからで、ブロンズはその手前です。
ただし落とし穴があります。プラチナは年間50,000プレミアムポイント。東京〜沖縄を普通席の運賃で11往復くらいの量です。差は大きいのに、届く人は限られる。だから「上を見て焦る」のではなく、「自分はどの段までで十分か」を決めるのが、この記事の目的です。
私自身はSFC会員で、ここ3年以上ダイヤモンドを続けています。表の数字はANA公式(2026年9月29日確認)、体感の部分は私の実感です。
3段階の違い:1枚の表
| 項目 | ブロンズ | プラチナ | ダイヤモンド |
|---|---|---|---|
| ラウンジ | マイル(またはアップグレードポイント)で利用 | ANA LOUNGE 無料 | ANA SUITE LOUNGE 無料 |
| 専用保安検査場 | なし | あり | あり |
| 優先搭乗 | なし | あり | あり |
| 手荷物の優先受け取り | なし | あり | あり |
| 優先チェックインカウンター | あり | あり | あり |
| 国際線の事前座席指定料の免除 | なし | あり | あり |
| 国内線特典航空券の空席待ち | なし | なし | あり |
| 国際線の各種手数料の免除 | なし | なし | あり |
| マイルの有効期限 | 通常 | 通常 | 延長 |
| フライトボーナスマイル(ゴールドカード等保有時) | 45%→2年目以降55% | 95%→105% | 120%→130% |
| スターアライアンス | シルバー | ゴールド | ゴールド |
| コンシェルジュサービス | なし | なし | あり |
※ANA公式の各ステイタスの特典一覧(2026年9月29日確認)から作成。ボーナスマイルはANAゴールドカード・ANAカードプレミアム保有時の率で、ステイタス1年目→継続2年目以降。
表を見ると分かるとおり、ブロンズとプラチナの間に一番大きな段差があります。空港で「並ばない」ための特典(専用保安検査場・優先搭乗・手荷物)は、すべてプラチナから。ブロンズは予約デスクと優先チェックイン、ボーナスマイルが中心です。
プラチナとダイヤモンドの差は、ラウンジの種類とマイルまわりの細かい優遇です。
到達コスト:いくら飛べば届くか
上級会員の判定は、1月〜12月のプレミアムポイント(PP)で決まります。翌年4月から1年間、そのステイタスになります。
| ステイタス | 年間PP | うちANAグループ便 |
|---|---|---|
| ブロンズ | 30,000 | 15,000 |
| プラチナ | 50,000 | 25,000 |
| ダイヤモンド | 100,000 | 50,000 |
※ANAゴールドカード・ANAカードプレミアム保有者は、30,000PPあればANAグループ便分が15,000未満でもブロンズになれます。
PPは「区間の基本マイル×運賃の積算率×路線倍率+搭乗ポイント」で計算されます。目安として、東京〜沖縄(区間基本マイル984)を積算率100%の運賃で飛ぶと、国内線の路線倍率2倍と搭乗ポイント400で片道約2,370PP、1往復で約4,700PPです。ブロンズなら年に7往復、プラチナなら11往復、ダイヤモンドなら22往復ほどの量になります。積算率が低い割引運賃だと、その分回数が増えます。
「そんなに乗らない」という人のために、もう一つの道があります。
もう一つの道:飛ぶ量を減らして、決済とサービス利用で補う
2026年の実績(2027年度のステイタス)から、次の3条件を全部満たす方法でも上級会員になれます。
| ステイタス | 条件1:PP(ANAグループ便のみ) | 条件2:ライフソリューションサービス | 条件3:ANAカード・ANA Pay決済 |
|---|---|---|---|
| ブロンズ | 15,000 | 4サービス以上 | 300万円 |
| プラチナ | 30,000 | 7サービス以上 | 400万円 |
| ダイヤモンド | 80,000 | 7サービス以上 | 400万円 |
| ダイヤモンド(別パターン) | 50,000 | 7サービス以上 | 500万円 |
※条件1の期間は2026年1月1日〜12月31日、条件2・3は2025年12月16日〜2026年12月15日。ライフソリューションサービスは対象15サービスのうち、ANA MallとANAトラベラーズの利用が必須。
プラチナなら、PPは通常の6割(30,000)で済みます。代わりにカード決済400万円と、ANA Mall・ANAトラベラーズなど7つのサービスの利用が要ります。
ここで大事なのは、決済額は「増やす」ものではなく「寄せる」ものだということです。私の場合は事業の支払いをANAカードに集めているので、決済の条件は自然に超えます。もともと払っているお金が別のカードや口座振替に散っている人は、まずそれを1枚に集めてから、届くかどうかを計算してください。
ダイヤモンド3年で分かった「体感差」
数字の表に出ない部分を、実感で書きます。
- 一番ありがたいのは、空港で並ばないこと。 専用保安検査場と優先搭乗は、混んでいる日ほど効きます。これはプラチナでも同じです
- ダイヤモンドのSUITE LOUNGEは、混雑と無縁。 入室待ちの列に並んだことは一度もありません。国内線のラウンジにも軽食があり、国際線はさらに充実しています。世界のラウンジを回るのが、旅の楽しみの一つになりました
- ボーナスマイルの差は、じわじわ効く。 同じ運賃でもダイヤモンドは2年目以降130%増し。年に何十回も乗る人ほど、この差でマイルが貯まります
- 正直、使っていない特典もある。 コンシェルジュサービスや限定ギフトは、私の使い方ではほぼ出番がありません
ダイヤモンドは「特別扱いが増える」というより、「旅の摩擦がほぼゼロになる」感覚です。
2026年の注意点:アップグレードポイントが終わる
上級会員の定番特典だった「アップグレードポイント」は、2026年度の提供をもって終了します(2027年3月31日搭乗分まで)。代わりに、2026年5月19日搭乗分から国内線でもマイルでのアップグレードができるようになりました。2027年4月1日時点でダイヤモンドの人には、50,000マイルが付与されます。
ブロンズがラウンジに入る手段も、アップグレードポイントからマイルに一本化される流れです。「ポイントでラウンジ」を前提にしていた人は、来年からの使い方を考え直す必要があります。
あなたはどこまで目指すべきか
| こんな人 | 目安 |
|---|---|
| 年に数回、家族旅行や帰省で乗る | 上級会員は追わない。マイルを貯めて特典航空券に使う方が得 |
| 出張や帰省で月1〜2回以上乗る。空港で並ぶのが苦痛 | プラチナ。空港の特典が全部つく |
| 事業の支払いをANAカードに寄せられる。ANA Mall等も使う | ライフソリューション併用でプラチナが現実的 |
| 年40往復以上乗る、または海外出張が多い | ダイヤモンド。ボーナスマイルとSUITE LOUNGEの元が取れる |
気をつけたいのは、ステイタスのために飛ぶ「修行」の費用です。プラチナまで沖縄11往復なら、航空券だけで数十万円。それが「並ばない快適さ」に見合うかは、乗る回数で決まります。年に10回未満なら、素直にマイルを貯める方が得です。
上級会員資格そのものの考え方(修行という選択肢)は「マイルの貯め方【応用編】— 「修行」という選択肢」で、一度取ったら年会費だけで続くSFCについては「ANA SFCラウンジ見直し|年300万円未満でも国内線は使える」で書いています。
まとめ
- 上級会員の段差は「ブロンズ→プラチナ」が最大。専用保安検査場・優先搭乗・無料ラウンジはプラチナから
- 到達コストは年間PPで、ブロンズ30,000/プラチナ50,000/ダイヤモンド100,000
- 飛ぶ量を減らす道もある:プラチナはPP30,000+7サービス+決済400万円
- 決済額は増やすのではなく、もともとの支払いを1枚に寄せる
- 年10回未満しか乗らないなら、上級会員より特典航空券にマイルを回す
- 2026年度でアップグレードポイントは終了。マイルでのアップグレードに移行
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